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ブレグニー炭坑 ~繁栄と衰退と~

2009年09月18日 21:34

「ベルギーって美味しいよ」の表題とは、今日もちょっと離れた話題となります。

旅も進んで10日目となりますが、この日のメインはブレグニーの炭坑跡です。ベルギーでも屈指の鉱工業地帯、その中心となるリエージュの少し東に位置し、かつてはその繁栄の一翼を担った存在です。
炭坑、すなわち石炭は、今現在の暮らしを考えるとあまり縁のあるものではありません。燃料としては石油に取って代わられ、その石油の価格が世間の注目を浴びるのとは対象的に、普通一般の人の話題となることも稀です。
私自身も、小学生の時には学校で石炭ストーブを使っていたのが唯一の接点といったところです。
ただ、歴史を振り返ってということでは、日本でもかつては栄えた炭坑地帯のことを、新聞やニュースでは目にしてきました。今では完全に過去の存在となっているものの、北九州の三池炭坑や北海道の夕張炭坑といった、昔日の繁栄とその後の衰退による人々や地域の苦労が、今でも時折ニュースなどで取りあげられますし。
そんな、繁栄と衰退が、ここベルギーでもかつて同じように生じた、その歴史の生証人ともいうべきものが、ブレグニーの炭坑跡ということになります。

ブレグニー炭坑

↑炭坑跡は結構、いきなり現れます。さすがに見逃して通り過ぎることはありませんが。

炭坑というと、私などは鉱山との連想で大きな山とか大規模な施設を思い浮かべますので、さぞかし目立つ存在だろうと勝手に思いながら、現地へ向かいました。しかし、実際にはそこまでのものではなく、同名の街を外れていくらも車を走らせることもないうちに到着しました。なんか、ここらしいよという程度で。
見学を終えれば解ることですが、地下へと坑道を掘り下げていくのであって、地上の施設というものはそれ程に目立って大きなものにはならないのです。掘り出した石炭の選別や出荷の為の設備は必要ですが、それとても近代的な石油化学コンビナートといった大規模工場を見慣れた目からすれば、こんな程度なのかといった規模に過ぎません。

さて、見学はガイドさんに連れられて、地下の坑道を巡り、地上に戻ったら選別や出荷の為の設備について説明してもらうというものですが、その前に炭坑の歴史をつづったフィルムの上映があり、それが約15分といったところです。それこそが、冒頭に書いた通りの炭坑の繁栄と衰退の物語であり、ブレグニーを含むベルギーの炭坑全体について描かれています。
結構、見終わると切なくなります
そして、ガイドさんがかつての炭坑夫の方であることからも、その後の見学への心の向けた方も変わろうというものです。と言っても、別段、湿っぽい雰囲気になったりするわけではありませんが。
見学に当たっては、まず作業着とヘルメット、そしてヘッドランプを身に付けます。さてさて、様になっているかどうかは解りませんが、にわか炭坑夫(婦)の出来上がりです。
迷子が出たらさあ大変ですから、まずは人数を確認します。それが終わったら、さーて、では地下へ向かいますよということで、ゴンドラへと乗り込みます。が、ゴンドラのカゴの大きさがどう見ても全員乗れるほどの大きさではありません。
誰もがどうするの?と思っていると、ほぼ半分の人が乗り込んだところでゴンドラは一段と上に。すると、下にはもう1つのカゴがあって、なるほど二段式で全員が1度に降りれるのかと、納得という次第でした。
こんな時、外人さんって素直で開けっぴろげな反応をするので、私達もいつも以上に大きく顔を上下に降ってなるほどぶりを強調しました。

ブレグニーのゴンドラ

↑ゴンドラに乗り込んで、いよいよ地下の坑道へ

坑道の中では実に様々な事柄について説明してくれますので、にわか炭坑博士になれます。ただ、残念なのはハンディーの解説機はあるものの、日本語はないので英語となる点です。ガイドのおじさんも気を使ってくれて、今がどの番号の部分かその都度に確認しつつ、少しフォローの説明を加えてくれたりはします。
もっとも、専門的といいますか、炭坑で使われていた機械の話だといささか機械音痴の私には解り難かったりなどもあって、ちょっと完全に理解とは言い難いところもありました。
それでも、ヘッドライトの時代になってもランプを持って坑道に入ったのは、ランプの火の色で酸素濃度を判断して危ないと思ったら引き返すとか、解り易いように図解があったりもします。読んでいると皆から遅れ気味になって、造りも解らない暗い坑道の中ではいささか慌てたりしつつも、なんとか英語は苦手の義母に教えてあげなきゃなどと思って頑張ってみました。かみさんは、まあ英語は大丈夫の筈なので.....
それにしても地下深くになればなるほど、随分と気温が上がることには驚かされました。説明板にもありましたが、ガイドさん曰く
「シチリアなんかだとここの最深部と同じになると摂氏70度にもなりますよ。これはもう作業は無理ですね。」
炭坑労働は厳しいと聞いたことがありますし、今だって南米やアフリカでのその手の話は耳にしますが、現場を知る人の言葉にはやはり重みを感じます。

見学を終えたら、カフェテリアでいただくべきものがあります。
それは、彼ら炭坑夫達が愛飲したビールとスピリッツです。
まずはビールですが、ヘルメットを被った炭坑夫の顔がトレードマークのHouyeaxと、醸造所が近くにあるVal-Dieuの2銘柄があります。
スピリッツは名前も忘れてしまいましたが、私がお酒に強くないとはいえ、それはもうきつーいパンチ力の一品でした。

Hpuyeax.jpg

↑これぞ炭坑夫のビール。我らがバイブル、ベルギービール大全にも載ってない。

Val-Dieu.jpg

↑こちらのヴァルデゥーの方が軽めの飲み口、醸造所が炭坑からも近い

午前10時にスタートの見学でしたが、結構、長い時間のもので終わった時にはもうお昼時でした。私達のような観光客が仲間でわいわいとやっているその脇で、ガイドをしてくれたおじさんが一人でお昼を食べていました。今はもうかつての炭坑仲間とも離れ、ここでガイドとして働いているわけでしょうが、一人での食事姿に寂しさを感じた私の想いが、かえって思い違いだと良かったのですが。
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