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ラヴェンナ  小さな街の偉大な過去

2016年01月06日 17:08

ラヴェンナ、それは実際に行ってみると、小さい街とは思っていたけれど
こんなん? という程の田舎町。

ラヴェンナの広場
↑ほんとに小さな町です。これが中央広場ですから。

旅行の計画を組む前、宮下先生の本を読むまで、まーったく知りませんでした。
しかし、その本でも解説されている通りで、ヨーロッパの歴史を語るうえでは
欠かすことの出来ない存在です。
ローマ帝国が東西に分裂した後、時には西ローマ帝国の都となり。その西ローマ
帝国が滅びゆく中で、その滅亡の元となったゲルマン民族の東ゴート王国の都
が置かれ、更にはそれを倒してイタリア半島を属州としてローマの版図に取り戻し
た際には、東ローマ帝国がその統治の為の総督府を置いて、と実に重要な都市で
あったわけです。
そして、その歴史の故に、古代ローマの芸術であるモザイク画の素晴らしい作品
が、今や片田舎の小さな街にすぎないこのラヴェンナに残されたわけです。その
モザイク画を残した東ローマ帝国では、その本国にあっては偶像崇拝を排斥する
運動により、多くの芸術作品がモザイク画も含め破壊失されてしまったのが、
失われた属州において残される。歴史というものは、そのような点でも面白い
ものだなと思います。

大きな教会(といっても、後の大聖堂などと比べると愛らしい存在ですが)の、
いささか高い位置の壁を彩る、鮮やかなモザイク画。
サンタポッリナーレ・ヌオーヴオ教会、そしてラヴェンナから少し南に行った
サンタポッリナーレ・イン・クラッセ教会で見ることが出来る、キリストや
聖母子、そして使徒達、東方三博士やキリスト生誕を祝う各国の使い等。
後世の宗教画で見るよりも、ずっと柔和で親しみが感じられます。誤解の無い
ようにお願いしますが、やや漫画的といいましょうか、厳しさよりもまん丸の
目などが優しさを感じさせてくれます。
キリスト様は神であると共に人の子。普通の人間と同様に、パンを食べ、
ワインを飲んで、血を流された。これまた失礼が無いようにとは思いながらも、
人とは全く別の存在である天使様とは違って、普通に話をしてもらえそうな。
更に大胆に言ってしまえば、偉大な使徒達も、古代ローマにあって実在し、
まだ身近にその記録そして記憶が残されていた時代ならば、如何に偉大で
あってもその時代を生きた生身の人。はるか後の世界となる今とは違い、
もっと手の届く感覚で語ることが出来たのかも。
まあ、そういったことは抜きにして、目に飛び込む視覚において、兎も角も
優しく、柔和で、微笑みかけるような。それがモザイク画の良さなのかも
しれません。
モザイクの色もそうでしょうが、絵的にも細かすぎずに、先ほど触れた目の
部分など、怖い細めには決してならずにまーるい笑顔の目に必ずなってしまう。
怒ってる人はだーれもいません。厳しい説教を口にすることも決してない。
きっと優しく語りかけてくれるに違いないと思えます。
実際には、ラヴェンナ自体が歴史上で重要な都市であったからこそ、血生臭い
争奪と殺戮の舞台にもなったであろうに、そんなことを感じるどころか、
とても平和な気持ちになれるのは、ひとえにそんなモザイク画のおかげかと。

また、同じモザイク画でも、暗闇の中に入り、徐々に慣れゆく目で見るガッラ・
プラチディア廟の幻想的な世界もまた格別です。それこそ百聞は一見しかずで、
ここでぐだぐた書いてみても始まらない、是非、自身の目で見てみて下さい
としか言えない気持ちです。
勿論のこと、サン・ヴイターレ教会もですが。

ラヴェンナの塔
↑後世の大きく、高ーい教会と比べるとラブリーなもんですね。町の大きさ
にマッチしてます。


有名なイタリアの観光地、珠玉の街々と比べると、知名度の点ではいささか劣る
存在ではありましょう。また、観光ルートとしても、ちょっと外れるでしょうか。
旅の計画のところで簡単に触れましたが、ボローニャから南に下ればフィレンツェ
まではすぐです。
北イタリアからトスカーナ地方へと旅をするのであれば、ラヴェンナはちょっと
回り道。しかし、行く価値はとても高いと思いますよ。

さて、そんなラヴェンナは、しかしながら片田舎の街。私達は昼時をそこで迎え
ましたが、街の中心、お臍たる中央広場と思しき場所に言っても、これといった
食事処が見当たりません。
小さな広場の一角のカフェで食事を摂りましたが、その内容自体はまあ普通の
パスタ。決してそれ程の品ではありませんでしたが、ただイタリア人は親切だと
旅行を通して感じることが多々あった中で、ここラヴェンナでも。
お昼時ですから、地元の人たちが食べていたのですが、異邦人二人が出現すると
小さなお店では唯一のテーブル席をさっと開けて、どうぞこちらでと案内して
くれました。それが、とっても自然にあっという間で。とても気持ち良く過ご
させていただけました。
名物や美味しい物をお望みならば、他が良いでしょうか。そんな時間もまた良い
もではありました。

そうは言ってもここはイタリア、必ず落とし穴があるもので.....
今回の落とし穴は、ラヴェンナの街を出て、前出の街の少し南にあるサンタポッリ
ナーレ・イン・クラッセ教会へと向かおうとした時のこと。街の南を流れる小さな
川の小さな橋、小さいとはいってもこれを渡らなければ南には行けないその橋が、
通れない。
工事中だからと、反対車線の南から北は通れるのに。第一、そこに行くまで工事中
とか通れないとかの表示は一切無し。日本人には解らないイタリア語の表示があった
のか?いやそんなことは。だって、工事中の表示なんてほとんど万国共通だし、
他ではちゃんと解ったし。
ラヴェンナで平和な気持ちを存分に味わったのに、いやそれだからこそ、時間が。
そう、これから向かう教会の開いてる時間がーーー!
元々、俗世の存在ではありますが、ここまで来て見れなかったらどうしてくれる!
と、焦りと怒りだけに。ああ、今になってもその狼狽ぶりがちょっと恥ずかしい。
で、なんとか地図を辿って、結構大きく迂回しつつも、まあ間に合いはしたとは
いうものの。
そして、再び平安な気持ちに包まれて。ころころ変わってしまう人の心。誰が見て
いたわけでもありませんが、自分の中の「旅の恥はかき捨て」。
今日ここで告白したことで、どうぞ救われますように。
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